たきび

たわわに実る柿の木は郷愁を誘う。幼い頃4年間だけ住んでいた古い一軒家。広い庭があって柿や枇杷などが植っていた。物心ついて最初に過ごした家だからだろうか?その家のさまざまな断片が記憶の中にある。よく日向ぼっこをした縁側や夜は一人で行けなかった汲み取り式便所、豪華なシャンデリアがあった応接間。庭で焚き火をした時の炎の色も何故か懐かしい。

垣根の垣根の曲がり角 たき火だたき火だ 落ち葉たき 「あたろうか」「あたろうよ」 北風ぴいぷう吹いている

今ではあまり歌われなくなった、童謡“たきび”。子供たちが火にあたる様子が思い浮かび、何だかほのぼのとする。そこには近所のおじさんやおばさんがいて、お芋を焼いてくれたりするのだ。

失われた風景を歌が残してくれる。琵琶歌にもその役割があると思う。語られる風景が琵琶の音によって立ち上がる。そんな語りと音を求め続けたい。

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