東京への憧れが募っていた中学時代。
2度目の転校で広島で過ごしていた私は学校に馴染めず、
いろんな現実逃避を試みていた。
野球選手(ジャイアンツ)の追っかけ、
声優さんのラジオのリスナー。
そして演劇。
演劇部に所属していた娘を母親が劇場に連れて行ってくれた。
それが劇団四季の「コーラスライン」。
今でも客席で受けた衝撃や
興奮しながら帰った道のりの風景を覚えている。
それぐらい大きかった、プロの世界。
ちょうど映画のコーラスラインも公開された時期で、
ミュージカル好きになったきっかけの作品。
厳しいプロの世界。
だけど、叶える事ができたならそこに行きたい。
劇場という世界に。
コーラスラインのナンバーを口ずさみながら、
そう願っての上京だった。
その昔から
地方にも本物の作品を届けてくれた劇団四季の存在は大きい。
訃報に触れて、改めてその偉大さを思うのだった。